小児科の診療内容

感染症(風邪、胃腸炎など)

子どもは風邪や胃腸炎などにかかることが多いです。処方された薬をきちんと飲んでいても鼻水や咳などの症状が改善しないことも珍しくありません。当院では適切な処方に加え、ご家庭でできるケア(摂る水分や食事、服装、家庭での過ごし方、咳・鼻症状の対応など)やどういう場合は受診したほうが良いかの情報提供に力を入れています。どうしても子どもでは感染症にかかる頻度が多いので、こういった知識は長期にわたり役立ちます。

食物アレルギー

食物アレルギーは、アナフィラキシーなどの強い反応で命に関わることがある疾患です。それだけでなく、主要な食物や多数の食物の除去は、アレルギー反応や栄養失調の懸念だけなく、旅行や友達との付き合いなど社会面や心理面への影響も大きいです。

当院では、正確な診断(問診・特異的IgE検査・食物負荷試験)に基づいて、必要最小限の除去と、年齢や状況に応じた段階的な摂取を提案します。また、アレルギー症状出現時の薬の使用タイミングやエピペンの使い方の指導なども行い、ご家庭全体で安心して生活できるようサポートします。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒いことで睡眠への影響が出たり、皮膚の感染症や食物アレルギーのリスク、社会生活への影響など様々な弊害をきたします。

アトピーの治療は今も昔も王道はステロイドの塗り薬ですが、近年ではステロイドではない塗り薬や飲み薬、注射薬などの選択肢も年々増えています。当院では、お子さんやそのご家族が塗り薬の正しい塗り方、使い分けの指導、悪化を防ぐ生活指導のほか、注射(デュピクセントなど)を含めた患者さんごとにあった適切な治療や予防を提供します。アトピー性皮膚炎は付き合いが長くなりがちな病気なので、これも正しい知識が一生の宝になることでしょう。

アレルギー性鼻炎/結膜炎(花粉症,ダニ,ペットアレルギー)

くしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどの症状はストレスが大きいだけでなく、集中力低下や日中の眠気を招き、日常生活の質を下げることがあります。当院では、痛みの少ない皮膚プリックテストや血液検査で原因の特定を行っております。症状の程度に応じて、飲み薬、目薬、鼻スプレーなどをお子さんに合わせて組み合わせた治療を提供します。また、舌下免疫療法(SLIT)の導入も行っており、スギ花粉症やダニアレルギーの根本的な治療も提供しております(ただし、スギ花粉症の薬は供給不足の解消待ちです・・)。

気管支喘息

気管支喘息は、空気の通り道がずっと炎症を起こして、時々狭くなり呼吸が苦しくなったりヒューヒューゼーゼーするエピソードを繰り返す病気です。治療の進歩で喘息で命を落とす子はかなり減りましたが、それでも入院になったり、集中治療が必要になる子は未だに多いです。また子どもの時の喘息と将来的な大人の肺の病気(慢性閉塞性肺疾患)との関連も指摘されており、適切な管理が重要です。

治療は大きく、1)発作が出ないようにする発作予防薬と 2)発作が出たときの発作治療薬に分かれます。特に1)が大切で、当院では必要十分な治療薬と治療期間の選択、および服薬指導を行っています。

便秘症

便秘症は子どもの腹痛の原因で一番多いです。腹痛で病院を受診して浣腸して良くなった、という方も多いですが、実は気づかれずに便秘症というお子さんもいます。適切な薬の種類、量の調整のほか、食事が大切です。排便のときに泣いている、便が固くて血が混ざる、トイレにこもっている時間が長いなどのお悩みがあれば、お時間があるときに足をお運び下さい。

夜尿症

5歳になって月1回以上のおねしょが3ヶ月以上続く場合は、夜尿症と診断されます。夜尿症は年齢が上がるにつれて少しずつ自然に治りますが、それまでの間、お子さんの自尊心が低下することやご家族のストレスになることも少なくありません。

当院ではお子さんの病態や社会的状況に合わせて、生活習慣の見直し(行動療法)、薬物療法(デスモプレシン)、アラーム療法などをご提案いたします。「早くおねしょを良くしたい」、「宿泊行事が不安」などの悩みがある方は、夜尿症の早期改善をサポートしますのでお時間があるときにご相談ください。

健診、予防接種

お子さんの健やかな成長のためには、定期的な健診と予防接種がとても大切です。当院では、年齢に応じた健診や各種ワクチン接種を行い、成長・発達の確認とともに、育児や体調に関する不安や疑問にも丁寧にお答えしています。

「受診するほどでもないけれど少し気になる」「こんなこと相談していいのかな」というお悩みでも構いません。ちょっとした気づきや心配ごとが、早期発見や安心につながることもあります。気軽にご相談ください。

その他

子どもは上記の他にも、色々な症状が現れることがあります(何日も続く熱、呼吸が苦しそう、お肌の病気、頭痛、腹痛、咳が止まらない、けいれん、他多数)。こどもの病気は自然に回復することも多いですが、時々治療が必要な病気やこわい病気が潜んでいることもあります。過度な検査はかえってお子さんやそのご家族に負担になってしまうこともありますが、慎重さが求められる場面では責任持って専門医療機関へと紹介しますのでご安心下さい。