気管支喘息
気管支喘息とは
気管支喘息は、気道(空気の通り道)に慢性的に炎症が起こり、狭くなる、体質のような病気です。特徴としては、風邪で、
・呼気性喘鳴(ヒューヒュー)がでやすい
・咳が長引く
・夜間~明け方にかけて目立つ
ことが一般的で、他にも運動や季節の変わり目で症状が誘発されることもよくあります。
もともと喘息の方が、何らかのきっかけで喘鳴や咳が出てくるエピソードを喘息発作(厳密には「気管支喘息の急性増悪」)といいます。
喘息の診断は、喘息発作らしいエピソードを繰り返しているかに加え、吸入などで良くなるか、家族歴はあるかなどで判断します。
気管支喘息の治療薬
気管支喘息は、大きく分けて発作が出た時に使う発作治療薬と、普段から発作を予防するために発作予防薬とがあります。
発作治療薬
空気の通り道を広げるβ刺激薬というものが使われます。
よく使われるのはホクナリンテープ(ツロブテロールテープ)やメプチン細粒、サルタノール吸入などです。副作用としては手の震えや動悸があります。
発作予防薬
喘息の重症度やこれまでの投薬に応じて数種類の薬が使い分けられます。治療の強度(治療ステップは発作の頻度や、発作の程度によって変わります。年令によっても変わりますが、
| ステップ | 1 | 2 | 3 | 4 |
| 基本治療 | 何もなし | 低用量ICS LTRA | 中用量ICS 低用量ICS/LABA | 高用量ICS 中用量ICS/LABA |
| 追加治療 | LTRA | 併用 | LTRA併用 | 生物学的製剤 |
ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)はモンテルカスト(キプレスやシングレア)とプランルカスト(オノン)です。安全性は高いですが、モンテルカストはうつや不安障害、不眠などとの関連が近年指摘されています。
吸入ステロイド(ICS)はフルタイドやパルミコート、オルベスコなどです。ステロイドによる副作用は少ないものの、中容量の吸入ステロイドの継続使用で大人になっての身長が1.2 cm低かったという報告もあります。
吸入ステロイド/長時間作用型β刺激薬(ICS/LABA)はアドエアやレルベア、シムビコートなどの商品名になってきます。そこそこ重症な方に使われます。
生物学的製剤は、ゾレアなどの注射薬です。これらは超重症例に使用されます。
長期管理薬は、予防の薬なので、調子がいい時も悪い時も使用することが重要です。
受診の目安
以下の場合は、すぐに救急受診して下さい
・顔色が悪い(青白い・唇が紫)
・ぐったりしている
・返事が鈍い、反応が悪い
・呼吸がかなり苦しそう(肩で息している、胸がペコペコへこんでいる、かなりハカハカしている)
・サルタノールを使ってもほとんど改善しない
サルタノール吸入をお持ちの方は、喘息発作時に上記の場合に当てはまらなければ、使用していただいて大丈夫です。20-30分おきに最大3回まで試していただいて大丈夫ですが、それでも良くならなければ病院受診するようにして下さい。
生活上の注意
気管支喘息は悪化因子が異なりますが、一般的にはホコリやカビなどの吸入アレルゲンに加え、煙を避けることは重要です。
ハウスダストが概ねダニの死骸なので、こまめな掃除機がけホコリが発生しやすいカーペットやぬいぐるみを減らすとよいでしょう。
自宅に喫煙者がいる、花火やBBQの煙を吸うことで発作が誘発されることも珍しくありませんので、ご注意下さい。
よくあるご質問
喘息って治りますか?
子供の頃の喘息は治ることも多いです。7歳頃に喘息のある子でも、7割位は大人の時に症状がなくなっているという報告もあります。
長期管理薬はいつまで使うのですか?
数ヶ月安定していれば減らすことがガイドラインなどでは推奨されています。当院としては、年齢や長期管理薬の種類、アドヒアランスなどにもよりますが、季節の変わり目に症状が出やすい方も多いので、半年以上、できれば1年という割と長めな期間様子を見てから減量することをおすすめしています。
運動すると咳が出るのですが、運動してもいいですか?
運動は心肺機能の向上に役立つので、してもらった方が良いですが、咳が出ないようにする管理薬は使ったほうが良いでしょう。運動前だけサルタノールを吸うというようなやや特殊な管理をすることもあります。
喘息にはプールが良いと聞きましたが
湿度がある点は良いですが、プールの水の消毒に使われる塩素などの消毒剤が喘息のリスクという可能性は指摘されています。これを調べた研究はいくつかありますが、はっきりしたコンセンサスはありません。本人がやりたいならば、止める明確な理由はないものの、喘息を良くする目的でわざわざ始めるほどではないと思います。
