インフルエンザの予防接種
インフルエンザワクチンの効果
インフルエンザワクチンを接種すると、感染のリスクは下がりますが、感染や発症を完全に防げるわけではありません。このため、打たないという方も一定数いらっしゃいますが、インフルエンザワクチンの一番大事な効果は、発症した場合の重症化や合併症を予防する点にあります。特に乳幼児では、インフルエンザに伴って肺炎、熱性けいれん、インフルエンザ脳症などを起こすことがあります。そのため、流行前に予防接種を受けることが大切です。インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化するため、原則として毎年接種します。
インフルエンザワクチンの種類
インフルエンザワクチンには、従来から使用されている注射の不活化ワクチンと、鼻の中に噴霧する点鼻ワクチン「フルミスト」があります。それぞれに特徴があり、どちらが適しているかは、お子さんの年齢、持病、注射への抵抗感などによって異なります。
| 不活化ワクチン | フルミスト | |
| 接種方法 | 腕に注射 | 左右の鼻にスプレー |
| 対象年令 | 生後6か月以上 | 2歳以上19歳未満 |
| ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
| 接種回数 | 1-2回 | 1回 |
| 主なメリット | 長期使われていた安全性 | 痛みを伴わない |
| 主なデメリット | 注射の痛み、接種部位の腫れ、発熱 | 鼻汁、インフルエンザにかかるリスク、検査陽性になることがある、 |
| 打てない子 | 注射で大暴れしてしまう大きい子 | コントロールの悪い喘息、ゼラチンアレルギー、免疫不全の子、最近抗インフルエンザ薬を使用した、など |
フルミストについて
フルミストは、鼻に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。
海外では2003年から使われていますが、国内では2024年から使用され始めた比較的新しいワクチンです。日本では打てる方は2~18歳で、1回で接種が完了します。最大のメリットは、注射をしなくてよいことです。
「注射がとても苦手」「注射になると強く抵抗してしまう」というお子さんには、よい選択肢になります。
一方、注意点はいくつかあります。一番頻度が高い副作用は、鼻汁で、半分以上のお子さんで接種後認めます。また、生ワクチンなので、インフルエンザにかかることや1週間位は抗原検査が陽性になることもあります。日本の治験では約50人に1人位はインフルエンザが陽性になりました。
どちらを選べばいい?

不活化ワクチンとフルミスト、どちらが絶対に良いというわけではありません。
予防効果ですが、両者で大きな差を示すエビデンスはありません。フルミストは鼻粘膜でIgAを誘導するという点で、長続きする免疫が期待できますが、それでフルミストの方が予防効果が高いというエビデンスは特にないので、予防という点ではどちらでも良いと考えられています。当院でも去年は統計学的な差はありませんでした。ただ、不活化ワクチンを打った子の罹患率は15.0%, フルミストを打った子の罹患率は8.7%でした。さらに、今回はサンプル数が正直足りていません。今後何年もデータを蓄積すれば、差がつく可能性もあります。
今のところは、年齢、体質、注射の苦手さ、ご家庭の予定(フルミストはインフルエンザに罹患するリスクもあるので)などを踏まえて、お子さんに合った方法を選ぶことが大切です。
不活化ワクチンの接種回数

日本では一般的に、12歳以下:2回接種、13歳以上:1回接種とされています。一方、世界的には、去年打っているなら9歳以上は1回となっています。国内の研究でも、2回接種も1回接種も変わらないというエビデンスが多くあります。一方、未就学児では2回接種のほうが予防効果が高いという研究結果や、去年打っていないなら2回接種のほうが良いという研究結果も複数あるので、当院では、上記のように提案しています。
もちろん通常の推奨通りの打ち方も大丈夫ですので、ご希望の回数分ご予約ください。
※2回接種する場合は、通常3 - 4週間程度間隔をあけます。
当院でのご予約方法・お願い
★当院で接種ご希望のお子さんのほか、保護者の方、ご兄弟の方も小児科で一緒に接種可能です。必ず「小児インフルエンザ予防接種」または「乳児健診・予防接種」の枠を人数分ご予約ください。
※ 通常の診療枠やクリーン外来でのインフルエンザの予防接種はできないのでご注意ください。
★ 不活化ワクチンとフルミストのどちらをご希望するか予約時に事前web問診で回答して下さい。
★中学生以下は母子手帳をお持ちください。
★ 不活化ワクチンの2回接種をご希望の方は枠を2つご予約ください(3週間以上空けて)。
★ 予診票は9月以降受付に用意してますので、お持ち帰りいただき、当日はご記入の上お持ちください。10月以降はクリニック入口にもご準備してますので、ご記入頂いてから受付して下さい。以下からダウンロードして印刷していただいても結構です。
● 不活化ワクチンの予診票
● フルミストの予診票
★ 混雑回避のため、インフルエンザ予防接種時の処方、医療相談は出来ませんので予めご了承ください。
★ 現時点でのインフルエンザ予防接種枠は下カレンダーです。

ご質問等あればお電話でお問い合わせください。
よくあるご質問
インフルエンザワクチンは毎年接種した方がよいですか?
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化するため、原則として毎年の接種をおすすめします。ワクチンは感染するリスクを下げるだけでなく、発症した場合の重症化や肺炎、インフルエンザ脳症などの合併症を予防する効果が期待できます。
いつ頃接種するのが良いでしょう?
ワクチンの効果が現れるまでには、接種後およそ2週間かかります。流行前に免疫をつけるため、一般的には10~11月ごろの接種がおすすめです。
風邪をひいていても接種できますか??
軽い鼻水や咳だけで、元気や食欲が保たれている場合は、接種できることが多いです。熱を出した場合は解熱後数日はやめておいたほうが良いでしょう。
他のワクチンと同時に接種できますか?
はい、基本的には他の定期接種と同時に接種可能です。
今年すでにインフルエンザにかかりましたが、接種した方がよいですか?
インフルエンザには複数の型や亜型があり、一度かかっても別の種類に感染する可能性があるのでオススメしています。
インフルエンザにかかった後、予防接種までどれくらい空けたほうが良いですか?
決まりはありませんが、当院では3週間程度あけることを提案しています。
