嘔吐

ナウゼリン(ドンペリドン)

嘔吐によく使われる薬は、ナウゼリン(ドンペリドン)の座薬や錠剤です。ただ、正直な話、ナウゼリンを使うことで嘔吐が抑えられることを示す質の高いエビデンスはなく、飲んでも飲まなくても変わらないという研究結果が複数あります。本当に効果が示されているのはオンダンセトロンという薬ですが、がんや術後の嘔吐にしか使えない薬です。そのため、ナウゼリンはルーチンでは処方していませんが、ただ結構吐き気がつらそうって場合は、ナウゼリンを試してみるのは全然ありだと思いますので処方しています。

五苓散

西洋医学で効果があると証明されているオンダンセトロンが使えませんが、五苓散という漢方も吐き気に効果は期待できます。一方、苦みのある漢方であることや、ただでさえ気持ち悪いときに飲むことは難しいことも多いです。五苓散を粉砕してお湯に溶かして、おしりから入れるというやり方もあります。当院でも今後できるように準備していきます。

胃腸炎などでは脱水にならないように水分をとりつつ、お腹を休ませてあげることが重要です。

水分の取らせ方(経口補水療法、ORT)

体重 5分毎 1時間毎 
10 kg 10 - 20 mL 125 - 250 mL 
20 kg20 - 40 mL 250 - 500 mL 
30 kg 30 - 60 mL 375 - 750 mL 
40 kg 40 - 80 mL 500 - 1000 mL 

気持ち悪いときは、おなかが大変敏感です。それでも脱水を防ぐためには適切な水分を補給する必要があります。そこで実践頂くのが経口補水療法(ORT)です。ORTは表を目安に、5分おきに少量ずつ水分を取らせる方法です。おなかに気づかれないように水分を少量ずつ入れてあげるイメージです。

・量の目安として、ペットボトルの蓋が約5 mL、大さじ1杯が約15 mLです。
・吐いてしまったら20分程度休憩しましょう。
・吐かなければ10-15分おきに5 mLずつ1回量を増やしていきましょう。

水分の種類

食べ物について

適した食べもの
白米、おかゆ、うどん、そうめん、フルーツ、ゆで野菜など
おすすめしない食べ物
刺激の強い食べ物(辛いもの、酸っぱいものなど)、脂っこいもの(揚げ物、肉)、乳製品(チーズ、牛乳など)

すぐに受診したほうが良い場合

・ぐったりして意識がぼんやりしている 
・経口補水療法(ORT)をしても水分が取れない 
・おしっこが少ない(目安として、乳児で6h以上、幼児で8h以上、学童で10h以上おしっこが出ない) 
・血便が出る、強い腹痛が続く 

水分を取ってもすぐ吐いてしまうのですが

一度に飲む量が多いと、おなかがびっくりして吐いてしまいます。上記の経口補水療法(ORT)を行い、それをしてても水分が取れず尿量が減ってくる、ぐったりしてくる、顔色が悪いなどがあるようならば受診して下さい。

全然食欲がないのですが、大丈夫ですか?

短期間であれば問題ありません。嘔吐があるときは無理に食べさせる必要はなく、まずは水分補給を優先しましょう。食事は、吐き気がおさまり水分がとれるようになってから、少しずつ上記の食べ物を再開すれば大丈夫です。

何を飲ませればいいですか?

上記でご案内している経口補水液がベストで、次点でスポーツドリンクです。逆に、避けるべき飲み物は、吸収されづらい牛乳やジュース原液です。水・お茶は飲んでも大丈夫ですが、それだけだと塩分や糖分は足りなくなるので、他の水分もとるようにしましょう。赤ちゃんは普段の見慣れている母乳やミルクで大丈夫です。

吐いたあとすぐに寝かせても大丈夫ですか?

問題ありませんが、横向きに寝かせると安心です。仰向けのままだと、吐いたものが気道に入る可能性があります。